墓石の周りにぬいぐるみを置く光景は近年少しずつ見られるようになっており、その背景には故人との関係性や想いを表現する個人的な供養のかたちが込められています。
特に子どもや若い世代の墓石ではぬいぐるみが好んで置かれることがあり、故人が生前に大切にしていたものや遺族が「寂しくないように」との願いを込めて供えるケースが多く見られます。
ぬいぐるみには温もりや安らぎといった感情的な意味が込められ、墓石の冷たさを和らげるような存在で扱われることもあります。
ただし、こうした供養の方法には一定のルールやマナーも必要です。
まず墓地によってはぬいぐるみなどの私物を長期間置くことを禁止している場合があり、管理者の許可を得ずに置いてしまうと撤去されることもあります。
ぬいぐるみは布製であるため雨や湿気で傷んだり、カビが発生したりすることがあり結果的に墓石を汚してしまう恐れもあるため屋外に置くには不向きな素材とも言えます。
どうしてもぬいぐるみを供えたい場合はお参りの際に一時的に持参して、供養の時間をともに過ごしたあと持ち帰るという方法が望ましいでしょう。