お墓を建てる際には、単に墓石を設置するだけでなく「魂入れ」と呼ばれる宗教的な儀式を行うのが一般的です。
魂入れとは僧侶などの宗教者でお墓に故人の魂を迎え入れるための儀式であり、形式は宗派によって異なるもののその本質は「無機物である石に霊的な意味を持たせる」という行為にあります。
お墓は単なる石碑ではなく魂が宿る神聖な場所であると考えられており、魂入れの儀式を経て初めて本格的な供養の対象となるのです。
魂入れの流れではまず墓石が設置された状態で僧侶を招き、お経や読経をあげてもらいます。
その後焼香や合掌、場合では水やお酒お米などの供物を捧げることもあります。
儀式の時間は30分から1時間程度が一般的で家族や親族が立ち会い、故人を偲ぶひとときを共有します。
宗派によっては「開眼供養」と呼ばれることもあり、日程の調整や儀式の内容については事前に菩提寺や霊園と相談しながら準備を進める必要があります。
魂入れを行う時期では墓石が完成してからなるべく早く、もしくは法事や命日に合わせるケースが多く見られます。