近年「墓はいらない」と考える人が増加しており、その背景には価値観の多様化やライフスタイルの変化そして経済的な事情が影響しています。
従来の日本では墓を持つことが家族や先祖への義務のように捉えられていましたが、現代社会ではその意識が徐々に変わりつつあります。
特に都市部を中心に家族構成の変化や単身世帯の増加、遠方に住む子ども世代との物理的な距離などから墓の維持が困難になるケースが増えているのです。
こうした中で「自分の死後に家族へ負担をかけたくない」という理由から、あえて墓はいらないという選択をする人も少なくありません。
供養の方法も多様化しており樹木葬や散骨、納骨堂といった形式が選ばれるようになっています。
これらは従来の墓に比べて費用が抑えられるだけでなく宗教にとらわれずに自然とともに眠るという新しい供養のスタイルを実現できる点で、支持を集めていると言えるでしょう。
「墓はいらない」と考える背景には供養の本質は形ではなく心にあるという思想もあり、年忌法要や仏壇での祈りを重視する人も増えています。