墓の相続は不動産とは異なる独自の制度が適用されるため、その手続きや注意点について正しく理解しておくことが重要です。
まず大前提で墓は法律上「祭祀財産」とされており、通常の財産分与の対象とは異なり相続人のうち一人が「祭祀承継者」で引き継ぐ形が原則です。
そのため複数の相続人がいる場合でも、話し合いで誰が墓を承継するかを決める必要があります。
承継者が決まったら墓を管理している霊園や寺院などに名義変更の届出を行い、使用許可証の名義を書き換える手続きが必要となるのです。
このとき使用規則や契約内容に従って申請書類や身分証、戸籍謄本などの提出が求められることが一般的です。
墓の相続において特に注意すべき点は、承継者が管理料や維持費の支払い義務を引き継ぐということです。
名義変更を行わずに放置しておくと管理料の未納によって墓地の使用権を失うリスクもあるため、早めの対応が肝心です。
親族間でトラブルを防ぐためにも、遺言書や生前の話し合いで墓の承継者を明確にしておくことが望ましいとされています。